FUTOKORO

FUTOKORO

 FUTOKORO

 

FUTOKOROは、満寿屋が     

真面目に作った、ふざけた商品です。

 

 

実在する原稿用紙の罫線を採用

実在する原稿用紙の罫線を採用

FUTOKOROの商品化案は封筒から始まりました。それも発想は単純で、「原稿用紙をそのまま封筒にしたら面白いのでは?」
という具合です。内側に原稿用紙の罫線がある、というだけのことですが、いろいろな部分に満寿屋らしさを持った、これまでにない新しい商品になったと感じています。その一つとして、満寿屋の原稿用紙に実在するモデルをデザインに採用していることが挙げられます。No.113No.116K3No.33No.37の5種類です。No.33とNo.37の2種類は本来白の紙(デラックス紙)の商品ですので、このFUTOKOROではまた少し違った雰囲気を出しています。便箋はこの封筒に合わせたものとして、後から考えました。こういう表現が適切か分かりませんが、「真面目に作った、ふざけた商品」と言えるのではないでしょうか。満寿屋なりの遊び心を表現した商品と認識しています。デザインにはA5サイズ、ハガキサイズ共に、No.11の罫線を用いています。 これは裏面の印刷ですし、色も紺とセピア(赤茶)で、良い味が出ているのではないでしょうか。

 

 

白台紙の採用

白台紙の採用

優雅箋を始め、A4原稿用紙、ハガキサイズの原稿用紙等台紙を用いて製本された商品は満寿屋にたくさん存在します。しかしそれは、一様にベージュ系の色をした台紙です。これには特に理由はありませんが、このFUTOKOROに採用した白の台紙には明確な理由があります。FUTOKOROの便箋は敢えて罫線を裏側にして綴じています。これは、重なった状態であれば、裏面に罫線があっても書くことに支障がないほどしっかりと罫線が見えるためです。ただし、残り枚数が少なくなり、1枚か2枚になった場合には、ベージュの台紙では罫線がほとんど見えなくなってしまうのです。これでは罫線を頼りに書くことが出来ません。いろいろと試してみた結果、白い台紙にすれば、残り1枚になっても十分に罫線が見えると分かりました。これがFUTOKOROだけ白台紙になった、ちょっとした理由です。

 

 

トレペ表紙に隠されたこだわり

トレペ表紙に隠されたこだわり

FUTOKOROの便箋の表紙には、サイズを問わずトレーシングペーパーを採用しています。これによるメリットとして、デザインをシンプルにすることで、中身にどんな罫線が印刷されているのか透けて見えて確認出来る、という点が挙げられます。 更には、中身の罫線が表紙のデザインの一部となってしまうということもトレーシングペーパーという素材のもたらす利点でしょう。ただ、それでけではあまり面白くありません。このFUTOKOROというシリーズは、全て裏側もしくは内側に印刷がされていることが特徴となっています。せっかく透ける素材のトレーシングペーパーを表紙に用いているので、この表紙自体にも、このFUTOKOROのコンセプトを取り入れたいと考えました。これは本当に些細なこだわりなのですが、この表紙はよく見ると両面印刷をされているのです。どういうことかと申しますと、表の「FUTOKORO」と「満寿屋」のロゴは裏面に、裏のバーコード等の製品情報は表面に印刷されているのです。言わなければ気付かないほどの小さなことですが、これも満寿屋なりの遊び心を持ったこだわりと思っております。

 

 

薄手のクリーム紙を封筒にすることの懸念

薄手のクリーム紙を封筒にすることの懸念

MONOKAKIの開発段階でも、このクリーム紙の薄さは心配の種でした。しかし、今回はクリーム紙をそのまま封筒にしてしまうということで、更に頭を悩ませることとなりました。大きく分けて、課題は2つです。1つは、薄い紙を封筒に加工することの難しさ。もう1つは、薄い素材の封筒になるため中身が透けて見えてしまうことの心配でした。主にこの2つがネックとなり、構想から実際に商品の形となるまで3年ほど要しました。結局は、加工に際して細心の注意を払ってもらえる良い相手先が見つかり、形にすることの問題は解決。中身が透けてしまうことについても、こう申しては無責任かも知れませんが、それを敢えてこの商品の特徴とし、お客様それぞれで自由な使い方をして頂こうとの考えに至りました。それによって、内側の原稿用紙の罫線がうっすらと外から見えるという、この商品元々の特徴も保つことが出来ました。

従来の満寿屋の商品から見ると、このFUTOKOROシリーズは少し違った路線を行く商品かも知れません。 しかし、気持ちを相手に伝える道具として、遊び心を持ったものが満寿屋にあっても良いのではないか、というところからFUTOKOROの商品作りを始めた次第です。結果的に「満寿屋らしさ」という点で、新たな一面を表現することが出来たのではないか、と考えています。

 

 

ネーミングの由来

ネーミングの由来

最後にこの「FUTOKORO」という名称について触れておきたいと思います。語源はもちろん「懐」です。「懐が広い」「懐に忍ばせる」等、懐にまつわる言い回しはたくさんあります。 この商品は「胸の内」や「内に秘めた」という連想から、懐(FUTOKORO)という名に行き着きました。また便箋を封筒に入れるという行為が「大事な思いを伝える手紙を、懐に忍ばせる」ことを思い起こさせたのです。思いを綴る道具として、お使い頂ければ嬉しい限りです。